ミスターの私生活 ツイッター用超短編小説

ミスターの私生活…

 Twitterの枠内でチビチビと書き続けたらどうなるか…挑戦です。この内容は、私のTwitterに掲載されているものも転記しまとめてご覧になれるようにしています。ただ、このサイト自体をご存じない方も多いとは思いますが…。敢えて、公表していませんので。このサイトを見つけられて、興味のある方だけ、どうぞ、ご自由にご覧ください。

海野 月 作

第一話

 暑い。こんな年末はいやだ...と思い続けて二十年以上もミスターは南米に踏みとどまっている。なんでこんなところに...もう、いい加減、こんな生活をやめたらって思いながら、洗車をしている。おなかが減った...そう、もうじき、お昼。 (続く:ミスターの私生活より)

第二話

 英語の時間に、英語の先生が私のことを「ミスタ―」と呼んだのが始まり。こどもたちは、私のことを「ミスター」と呼ぶようになった。私は、「いや、違うよ、ミスったー」といって、いつも、茶化している。   (続く:ミスターの私生活より)

第三話

 私は四十を過ぎて教職についた。しかも、中学数学。なのに...一回も数学の授業はやらせてもらえなかった。それが小2のちびっこたちの担任を任され、ミスターとしての生活が始まったのである。たった一年間の短いミスター生活を全力で駆け抜けた。                     (続く:ミスターの私生活より)

第四話

 正直、担任業務なんて、知らない。ふつう、初任研なんてあるんだけどぶっつけ本番。ミスターはミスり始めるのである。もともと、中学の子相手の勉強しかしてないから、朝の会から難しい言葉で話はじめ、子供たちはチンプンカンプン...  (続く:ミスターの私生活より)                                

第五話

 担任生活の最初の難関は、教室の準備...うーん、困った。まず、机に名前を書いて...面倒、名札を作っちゃえ。あれ、下駄箱もじゃん。それも、共通の名札でいいや。おっと、ロッカーもあったじゃん。名札をつけるところから教室環境を整えることが始まった。                  (続く:ミスターの私生活より)

第六話

 名札をどうやって作ろうか。ワードで枠を作って、人数分。余分も作って、ぱうちっこ。やっとできた...編入してきたらその都度、手書き。これで、とりあえず、名前は付けられた。順番?そりゃ、出席番号順でしょ。でも...席順は?どうしようっかな。(続く:ミスターの私生活より)

第七話

 男子が女子の倍だし...女子は全体の3分の1の人数。おっと、班の構成も考えて...男女比率をよくして...と。できた、できた。席替えもしないといけないけど、とりあえず、こんな感じでいっかな。彼らの相性もあるし。様子をみよう。ということで座席も決まった。(続く:ミスターの私生活より)

第八話

 でも、まだ、物足りない教室風景...そう、学級目標がない。作らなきゃ。といっても先生主導の目標なんて思われるのもいやだし、そうだ、みんなの手形でもぺたってはってもらおう。そうしたら、あったかみがでるし。みんなの手作り「思いやり」。これ、私の目標!(続く:ミスターの私生活より)

第九話

 さて、座席も決まった。ロッカーも決まった。靴箱も決まった。学級目標も決まった。さて...教科書の搬入作業だ。結構、重いじゃん。職員室と教室は別棟。もう、大変。運ぶだけでも大変。冊数を数えるのも大変。おらないように汚さないように...できた! (続く:ミスターの私生活より)

第十話

 学級通信を作らないといけない。まず、枠づくり。実は、学校の一年はは44週で終わる。そこで、44個の枠をWordで作ってしまった。なんで、「しまった」と書いたかというと、一週に2回出す週があるって知らなかったから。別に一つにまとめればいいと思うんだけど。(続く:ミスターの私生活より)

第十一話

 わたしの学級通信の枠は、縦書きが表、横書きが後ろ。和洋折衷の学級通信にした。いまどき、縦書きの学級通信なんてないし、みんな自分の思いをダラダラ書いておしまいっていうのが多い。それより、子どもたちの生の姿を伝えたかった。(続く:ミスターの私生活より)

第十二話

 わたしの学級通信は、どういうわけか、みんなの注目の的になってしまった。まず、縦書きであることが、新鮮だったようだ。そして、書く内容が短く、毎週起こる、彼らちびっこたちのドラマを凝縮してお届けしていたからだと思う。 (続く:ミスターの私生活より)

第十三話

 学級通信も単学級でない限り、他クラスと合わせないといけない。ただ、当初から今年一年限りの担任生活と決めていた私は、最初のうちは合わせていたものの、途中から暴走し始めた。授業もしかりである。わたしにとって悔いのない一年にしたかったからだ。(続く:ミスターの私生活より)

第十四話

 学級通信の名前の由来。私の学級目標は、「思いやり」。思いやりに近い花言葉を持つ植物といえば、ザクロ。何年か前に中三が当時の担任とこっそりと植樹していった。その木にあやかって、「ザクロのように...」と決めた。実は、その苗、私が買ったんです。(続く:ミスターの私生活より)

第十五話

 私の学級通信は、茶化された。「え、ドクロのように...ですか?」しかも、内容が内容なだけに、誰に向けて書いているんだとの疑問も投げかけられた。そのとき、私も、一体、誰に向けて書きゃいんだって思った。そして、自分のスタイルの学級通信が出来上がった。(続く:ミスタ―の私生活より)

第十六話

 私の学級通信の表は縦書きで、連絡事項、一週間の出来事、そして、私の所感。裏面は、時間割り、授業内容、持ち物、〆切など。表に欠けなかったものを裏面にも書いた。児童の活動している写真や文章など、ほぼ原文でありのままに伝えるように努力した。(続く:ミスターの私生活より)

第十七話

 私の学級通信をもとに たった一年間の担任生活を振り返ってみたい。第1号から第44号まで綴られた。まず、第1号では、学級を目標を掲げた。ザクロの花言葉は、『相手を思いやること』。ザクロのように、思いやりを大切にする学級になってほしいと。(続く:ミスターの私生活より)

第十八話  ~考え、判断、そして行動~

 自ら考え、状況判断、そして、行動。実践しながら、成長をしてほしいことを伝えた。この三つを身につけ、自立した人間になってほしいことを書き綴った。不安と期待の入り混じった第1号だった。 (続く:ミスターの私生活より)

第十九話  ~入学式~ 

 私が音響担当のため、クラスに入れない事態が一年間続いた。その中で、私の秘策は、児童たちの自立にあった。まず、頭フラフラ、手足もじもじの入学式の態度を「姿勢」の大切さをみんなに訴えた。そして、私がいなくてもできるように... (続く:ミスターの私生活より)

第二十話  ~初めてのクラス集合写真~

 みんなで写真を撮ろう。それが、学級最初の仕事。これには、誰かに取ってもらわないと三脚を持ってきていない私には無理。そこで、養護の先生に頼むことにした。みんなで緩やかな坂道を駆け上り、ロータリーを横切った。(続く:ミスターの私生活より)

第二十一話  ~クラスのメンバー~

 男子十一名、女子六名の計十七名の個性あふれる元気いっぱいのクラスでスタート。学級会はケンカになって話し合いどころではなかった。議題さえ、話し合いどころか口喧嘩になってしまい、それどころではなかったのである。(続く:ミスターの私生活より)

第二十二話  ~勉強~

 学力の差をなくすために、手始めに、勉強のし方を教えようと思った。そこで、『勉強』の定義から入った。『勉強』って、分からないことを分かるようにすることと板書し、みんなノートに書き写した。大切なことは、好奇心を育てること。(続く:ミスターの私生活より)

第二十三話  ~消しゴム~

 勉強をするとき大切なことは、きれいなノートを作っていくことでない。消しゴムを使わせないようにすればいい。それは、間違った箇所を『見える化』するためである。苦手な部分、わからない部分を克服できるノートづくりこそが大切。(続く:ミスターの私生活より)

第二十四話  ~ノート~

 教科書に書いてあることを板書することは簡単だ。ところが、私が教科書にないことを書いてそれを一生懸命にノートに書き写すちびっこたち。教科書は時数制限があるため、しりきれ尻切れトンボで面白くない。勉強嫌い製造書に間違いない。(続く:ミスターの私生活より)

第二十五話  ~持ち物~

 すべての持ち物には名前を書かなければならない。保護者にとっても負担である。しかしながら、落としたときにその苦労が報われるのである。子供たちの忘れ物の多いことったらありゃしない。体を忘れないのが不思議なくらいである。(続く:ミスターの私生活より)

第二十六話  ~朝の会~

 いつも『朝の会』が児童との学級活動のはじまり。朝の挨拶にはじまり連絡事項を伝え、一日の時間割を確認する。もちろん、健康観察も出席をとるときに行う。返事の仕方をみながら、その子の行動を把握していくのである。これが一日が始まり。(続く:ミスターの私生活より)

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